学部長が巡る研究室の旅
経済学部学部長の片山です。
大学では、教員は「研究室」と呼ばれる個室で、研究活動や授業の準備、学生の相談対応などの仕事をしています。
経済学部の研究室は16室。さて、どんな人がどんな仕事をしているのでしょう。
研究室のドアを開いて聞いてみましょう。
NO.2 井上 仁研究室
井上:おや、学部長こんにちは。
片山:井上先生、なにやら忙しそうですね!
井上:そうなんですよ、ちょうど今FP(ファイナンシャル?プランニング)技能試験の対策講座の準備をしているんです。
片山:経済学部はFP資格を目指す学生が多いですけど、どんな資格なんですか?
FP資格取得就職活動に有利なアピールポイントに!
井上:正確にはファイナンシャル?プランニング技能検定という国家検定で、ファイナンシャル?プランナーとして貯蓄や投資などのマネープランを提案?相談できる技能が問われます。お金に関する法律や制度、経済?金融に関する幅広い知識が求められます。
片山:ちなみに、この資格を取ることでどんなメリットが?
井上:まず、自分自身が生きていく上で必要になるお金に関する知識?判断力が身につきます。税金、年金、保険、ローン、資産運用などは、お金に関することで人生の中で誰しもが経験し、自分自身で判断しなければならないことですが、意外と学校では教えてくれません。次に、就職活動のときに自己アピールの材料になります。他の学生とは違う特技として企業にアピールできますよ。金融機関はもちろんですが、それ以外でも様々な企業?業界でFP資格取得者が活躍しています。
片山:国家検定とは合格が難しそうですね。どのくらい勉強すればいいんですか?
井上:試験では次の6つのカテゴリーから出題されます。ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続です。とても範囲が広いので簡単な資格ではありません。でも、大学の授業や課外のエクステンション講座を利用して1年くらいかけてコツコツと勉強すれば必ず合格することができますよ。
FP資格取得を井上先生が全面サポート
片山:資格取得に向けての学修はどのように?
井上:経済学科では、「ファイナンシャル?プランニングA?D」の4科目で1年かけて2級FP技能検定に必要な学修を行います。また、課外のエクステンション講座でも2級?3級対策講座を受講することができます。井上ゼミでは金融をテーマに少人数でさらに踏み込んだ学修をしていますよ。
片山:FPの資格に関心のある学生は井上先生に相談すれば、道が開けそうですね。
井上:試験合格に向けてのサポートは任せてください!
片山:心強いです。
確実に儲かる株は?
片山:ちなみに先生、金融に興味を持ったのはどんなきっかけで?
井上:大学のときの金融の授業ですね。内緒ですが他の授業はサボりがちだったのに、金融の授業だけはマジメに受けていました。金融で必ず勉強することで、「信用創造」という理論があります。銀行は貸出と預金を繰り返すことで預金を創り出して、初めの何倍にも増やしているという理論なのですが、これに衝撃を受けました。今でも授業で教えるたびに当時の衝撃が蘇ります。
片山:あのぅ、金融を勉強すれば簡単に儲けられるんですか?
井上:わたしが研究を通じてわかったことは、確実に儲かる株は事前にはわからない、ということですね(笑)。でも、大儲けはできませんが、損をするリスクを抑えながらコツコツと増やしていく方法はありますよ。
片山:なるほど、何事もコツコツと積み重ねることが大切なんですね。
よくわかりました。
井上先生ありがとうございました。