心の手帳 70号(2023年6月)

空を見上げて

タイトル画像
夏に向けて暖かい日が多くなってきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。雨の降る日も多くなってきましたね。
 さて、今月の表紙は満月がモチーフとなっています。各月の満月にはそれぞれ名前があるのですが、6月の満月は何と呼ばれているでしょうか?アメリカの一部の地域では、イチゴの収穫期に見られることからストロベリームーンと呼んでいるそうです。今回の心の手帳はピンクですが、実際の月の色は綺麗なピンクになるわけではなく、赤みや黄色みがかって見える程度だそうです。
 雨の日の夜は星や月がなかなか見えないかもしれませんが、時には空を見上げてみるのも良いかもしれませんね。
 

これからの推し活の話をしよう

山本 彩(心理臨床センター研究員?本学教授)
 私と音楽の雑談をしたことがある人はこのことを私から度々聞いていると思うが、私は、数年間おっかけをしていたAというアーティストの突然の引退に心を痛め、Aの引退から数年経過した今もその喪失感から抜けきれないでいる。私はAの引退後、手当たり次第に様々な音楽を聴いてはAの音楽と比較し、「Aの穴埋めをしてくれるものでは全くない」と深いため息をつく日々を過ごしてきた。そういったことを、先日、付き合いが長い教員Bとふいに話す機会となり、私は素で「Aの次にはまれる人、早くみつからないかなぁ???次の人に私ちゃんとはまれるかなぁ???」と、つぶやいた。これに対して教員Bは、おそらく素で吹き出し、おそらく素で「はまれるかなぁって!(笑)」と繰り返した。
 そうだ、そうだった。この教員Bの素の吹き出しと繰り返しは、私に衝撃を与えた。「はまる」とは本人が意図しない瞬間で訪れるものであり、はまれるか/はまれないかを事前に心配している時点で、その運命の瞬間からはどんどん遠ざかっているような感覚に陥る。
このことを契機に私は「推し活」という言葉を思い出し、次に様々な“○活”を連想した。近代社会は、良い/悪いという価値は一旦脇に置くとして、通過儀礼やしきたり、情報格差などから大方解き放たれたと同時に、ある種の抑圧や枯渇感からも大方解き放たれたのかもしれない。その分、自分自身に火をつけ自分自身を煽らなければ、埋没できるものに出会いづらいのかもしれない。いや、全然違うのかもしれない。教員Bとまた話してみよう。

実習生(大学院生)のつぶやき

 先日いただいたお菓子の賞味期限をふと見てみると、約3週間過ぎていたことに気づきました。いただいたお菓子を一番おいしい状態で食べられなかったことがとても残念だったので、「賞味期限はこまめに確認しよう!!」と心に決めました。体感的にはまだまだ猶予があるように思っていたのですが、時が経つのが想像以上に早いことに気づき、勉強や実習など、あわただしい日々を過ごしているうちにあっという間に卒業を迎えると思うと少しさみしい気持ちもあります。残り約9ヶ月の院生生活ですが、勉強だけでなく、同期との思い出も作り、今の時間を有意義に使っていきたいなと思います。今年もあと半年ですが、どのような日々を過ごしていきたいですか?    (M.O & N.K)