公開講座「人間論特殊講義」を開催しました
8月22日から26日までの5日間、台風が相次いで上陸し不順な天候の続くなかでしたが、人文学部公開講座「人間論特殊講義」を開催しました。
今年度の総合テーマは「人文力~資源としての人文知、闘争としての人文知」です。文学、歴史、文化などのいわゆる人文的な知は、けっして「役に立たない」ものではなく、人間にとっての大切な財産であり資源です。そうした人文知の持つ価値とはどのようなものか、人文知をめぐって権力、学問、一般民衆がどのように戦ってきたか、その戦いは現代社会のなかで今後どのように展開するのかを、人間科学科だけではなく本学のさまざまな学部学科を横断するかたちで教授陣が協力しながら論じることが、本講座のねらいです。
各回の講義では繰り返し「本物の力」「地域」「多様性」「倫理」「アイデンティティー」あるいは「権力」「少数者」「差別」「壁」などの概念が取り上げられ、これらをキーワードにして、それぞれの講義が互いに密接に結びついていました。講義後のアンケートをみても「自分も積極性を持って大学生活を送らなければならないと感じた」、「文学が人文知の『主戦場』であるという意味が理解できた」など、おおむね好評のうちに当初のねらいは受け止められたようです。
さまざまな角度から「人文知」について考える機会を得ることにより、講義する側の私たちも多くを得ることができました。お天気に恵まれないなか参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
(コーディネーター 奥田)