人間科学科で「特別支援教育総論」などを担当されている二通諭(につう?さとし)教授が編者となって、
「障害児の教育権保障と教育実践の課題 養護学校義務制実施に向けた取り組みに学びながら」(共編者?藤本文朗、群青社)
が出版されました。二通先生に、この書籍について、また特別支援教育についての思いなどをお聞きしました。
——この本はどういう方々に向けられたものでしょうか?
二通 : この本には、特別支援教育の世界では大御所といえる先生方の論文が収められています。そういう意味では、資料的価値が高いと考えられるので、大学教員には参考文献として利用して欲しいです。また、特別支援教育に携わる教師たちや、これから特別支援教育を志す若い学生のみなさんも、ぜひ読んで、特別支援教育の歴史を学んで欲しいです。
——特別支援教育の歴史を学ぶことに、どのような意義があると先生は考えていますか?
二通 : 歴史を学ぶことによって、今自分が置かれている特別支援教育の現場の状態を客観的に理解できると思います。主観的な考えだけだと、現場や仕事に不満を持つだけに終わりかねません。歴史を学ぶことによって、先人達の歩みを知り、自分の位置を確かめ、自分に何ができるかを改めて問い直すことができるように思います。
——特別支援教育の教師を目指す学生さん達に、この本を通じて何かメッセージはありますか?
二通 : 特別支援教育にかかわらず、教育全般において、「全ての子どもを救う」、「ダメな子はいない」という考え方を持つことが大変重要だと考えます。この考え方をしっかり自分の中に据えながら、目の前にいる子どもに対し自分には具体的に何ができるかを、失敗したり挫折したりしながら考えていって欲しいと思います。
二通先生からのメッセージ、私たち人間科学科としても、しっかり受け止めて考えていきたいと思います。