国家資格である博物館学芸員の資格取得をめざして、今年度も博物館実習の授業が行われています。前期は、長いあいだ東京国立博物館で国宝を含む文化財を取り扱ってこられた佐々木利和北海道大学客員教授をお招きし、注意して取り扱わないと破損したりカビが生えたりしてしまう資料の博物館における取り扱いについて、一つ一つ手を動かしながらご指導いただいています。
佐々木先生のご持論によれば、実習とはいえホンモノを扱わなければ、文化財に対する姿勢は身につきません。写真の実習に使用している掛軸は、第二代開拓長官だった東久世通禧<ひがしくぜ?みちとみ>筆「紙本墨書和歌軸」(個人蔵をお借りしています)という貴重なものです。受講生一人一人が矢筈を手に軸を掛け、巻き上げて外して紐をかける実習を行うあいだ、適度な緊張がその場に流れていました。