専門ゼミナールA(3年?横山ゼミ)では、「教科書にのっていないソーシャルワークの新しい動向」をテーマにフィールドワークとディスカッションで学びを深めています。たとえば、クラウドファンディングなどの寄付や贈与という形での社会貢献の話を聞いたり、制度にしばられない福祉系の社会起業(ソーシャルビジネス)の具体例をみたり、助産師から若年女性の妊娠出産の現状課題の話を聞き、ジェンダーセンシティブな支援を学んでいます。
6月は「ソーシャルワークと文化的コンピテンス*」を学んでいます。ゼミ生と北海道博物館に行き、学芸員の方から「北海道の暮らし」に関するレクチャーを受け、展示物を見て回りました。
学芸員の方からは、寒冷地の北海道の歴史と暮らし、雪かきや祭りを通した相互扶助についてユーモアたっぷりに話していただきました。翌週のディスカッションでは、「見てきたことがソーシャルワークにどう役立つのだろうか?」という点から意見を出し合いました。なかでも、相談者の暮らす地域や歴史、文化や慣習などを知ることで、相手をより深く理解できること、それは画一的な支援ではなくひとりひとりが生きてきた暮らしを尊重する支援になることを共有しました。
*文化的コンピテンスとは、人権や社会正義を基本として、他者の分野や歴史、慣習や価値観などを尊重した関わりができる力のことです。そのためには、自らを振り返り多様性尊重から協働することが求められています。
これからも学外の人たちの話を聞いたり、フィールドワークを行いながら、今の日本社会に必要とされるソーシャルワークについて考えていきます。