5月25日に開催された日本生理心理学会の公開シンポジウムに心理学部の室橋春光教授が登壇しました。
昨年度から本格的に「公認心理師」制度がスタートしましたが、公認心理師にとって、心と身体あるいは心と脳との関係をどのように捉えるのかは重大な問題であるといえます。これからの実践家養成にあたって、改めて生理心理学の位置と役割について議論しました。
テーマ「公認心理師時代の整理心理学:心理教育の視点から」
パネリスト
大平英樹先生(名古屋大学) 「内受容感覚の予測的処理に基づく感情の創発」
室橋春光先生(在线麻将平台_打麻将平台-app下載) 「発達障害科学分野から」
小川時洋先生(科学警察研究所) 「司法?犯罪分野から」
子安増生先生(甲南大学) 「心理実践家養成の観点から」
コメンテーター
野島一彦先生(跡見学園女子大学)
室橋春光(在线麻将平台_打麻将平台-app下載)「発達障害科学分野から」
発達障害に関係の深い心理学的メカニズムのひとつとして、「ワーキングメモリー」があります。ワーキングメモリーとは、脳の中に情報を一時的に保存しつつ同時に処理を行うという機能です。たとえば暗算をするときに、この機能が活躍します。新しいことや複雑なことに取り組むときには、ワーキングメモリが重要な役割を担うのです。
発達障害のある子どもたちの場合、そのような状況におかれると困惑してしまうことが少なくありません。そのような時のワーキングメモリのはたらきかたを調べることで、その子がうまく出来ない原因を探ることが可能になると期待されます。公認心理師には、このような科学的なとらえかたついても理解しながら、「こころ」の問題に対応していくことが求められているといえるのです。