12月12日に釧路公立大学で開催された第6回合同研究発表大会SCANに佐々木ゼミ,土居ゼミ,平澤ゼミが参加しました.今回は本学以外に北見工業大学,釧路公立大学,札幌大学,北海学園大学,北海道教育大学釧路校の5校から11ゼミ,16グループが参加して行われました.
佐々木ゼミは,「沼田町における地域経済振興の課題」というテーマで発表を行いました.沼田町を調査した結果をもとにして,まず沼田町の歴史,人口動態,産業別就業人口の変化などから沼田町の特徴を紹介しました.次に沼田町の主要産業である農業の特徴を規模拡大,米単一経営としてとらえ,規模の拡大が離農の増加をもたらしていること,高齢化が進み,後継者がいない点などの問題点を述べました.そののち,沼田町農業のもう一つの特徴である加工用トマト栽培についてトマトジュースへの加工や企業との提携をしていること,雇用効果が小さい点などが述べられました.
このような沼田町の現状の上で,さらに雇用を高め,地域外への人口の流出を止める方策としてスペインのトマト祭りをモデルにしたトマト祭りを沼田町で開催することを提案しました.その売上げが2120万円+αの効果があり,沼田町の雇用の維持に貢献するという提言をまとめました.
平澤ゼミは,「北海道のおける農協の米の販売戦略」というテーマで報告しました.東川町での調査をもとに報告しました.まず現在の米の消費,価格の低迷,地域によって米の性質が異なることを述べました.さらに家庭での消費の割合が減少し,中食?外食での消費の割合が増加していることなど米の消費や流通の現状についての説明をしました.その上でホクレンを通じた全道共販では食味の高い地域は抱き合わせ販売になって有利性を生かせないこと,一方で非良食味地域ではカントリーエレベーターを用いてブレンド米が生産されているなど北海道の稲作地域の状況について話しました.
これらの点から,農協が独自販売(農協が直接販売するだけでなく,産地指定の単今日独自開拓による全農経由販売も含んだ定義)をすることにより,流通経費の削減や価格メリットを得ることができるという戦略と非良食味地域ではカントリーエレベーターを利用し,品質を均質化した米を売り出し,外食?中食産業に積極的に販売することが提案されました.
土居ゼミは,「北海道の市町村の人口増減」というテーマで報告を行いました.土居ゼミは人口増減に関係のある要因を回帰分析で調べ,どのような政策を行えば人口増加につなげられるかを提言しました.
分析では市町村別のデータを用い,総面積,子育て支援センター,大学,飲食店,大型小売店,有効求人倍率,第一次産業と第3次産業の就業数の構成比などの変数を用い,回帰分析を行いました.
その結果,子育て支援センター,百貨店?総合スーパーの数,第1次産業と第3次産業の就業者数の構成比,犯罪といった変数が,人口増減率と相関があることがわかりました.その中で子育て支援センターが人口増減率と有意な関係にあることに注目し,千歳市や東神楽町の子育て支援策を紹介しながら,子育て支援の充実が人口を増加させるという提言をまとめました.
研究発表会の後,懇親会が開催され,他大学の学生,教員との交流も行われました.