『森田研究室へようこそ』
森田:学部長、ようこそ。もしかして、お悩みの相談ですか?笑
片山:悩み相談はいつかお酒の席でぜひお願いします。
ところで、先生のゼミのテーマはAIアプリの制作ですね。前から聞こうと思っていたのですが、経済学科なのに、なんでこのようなテーマを?
企業が求めるAI人材とは
森田:確かに、ここは経済学を学ぶところで、AI技術者を目指すところではありませんよね。
少し説明させて下さい。ここにある最新のAI白書の中に、企業が求めているAI人材に関するアンケート調査結果があります。それによると、約8割の企業が、「現場の知見とAIの基礎知識を持ち、AI導入を推進できる従業員」を求めています。一方、AI開発者を求める企業は4割弱です。つまり、現時点で一般企業が求めている”AI人材”とは、AIの基礎知識を持ちそれを事業に活かせる人材ということになります。そこで、元々幅広い企業に就職している経済学科生にAIの基礎知識が加わったら、まさに鬼に金棒と考えた訳です。
AI活用の可能性を探ってみたい方は森田ゼミへ
片山:なるほど、それは有望ですね。しかし、理工系ではない経済学科生がAIを学ぶのは、やはり難しいのではないですか?
森田:そうですね。詳細を理解しようとすると、一定レベルの数学の知識やプログラミング技術が必要になります。ただ、今のAIブームを支えている機械学習の仕組みを大まかに理解し、それをプログラミングで確認できるようになる事は可能です。経済学科のCUPコース「情報(IT)プログラム」の中の関連科目を学習すると基礎的な理解は可能になります。そして、もし、AIアプリ制作を通じてAI活用の可能性を探ってみたい、と考える人がいたら是非私のゼミで挑戦して欲しいと思います。私は、それが、多くの企業が求めている「AIの基礎(+アルファ)」になると捉えています。
経済学科でAIを学ぶ意味は
片山:分かりました。経済学科生の活躍の幅がますます広がれば良いですね。最後に、先生はAI分野の研究は今後どのように進展すると考えていますか?
森田:応用範囲が広がって、ますます日常社会にAIが入り込んで来ることになるでしょう。さらに、物資や通貨の流通など社会のあらゆる流れがデジタル化され、それをAIで管理することも技術的に可能になって来ます。そうなった時に、技術的な進展は1つのテーマではあり続けますが、それよりもAIに何をどこまで委ねるのか、という問題がクローズアップして来るでしょう。こうした問題を考えるためには、、哲学や社会学そして法学の蓄積と共に、経済学の知見が必須になって来ます。そうしたときには、経済学科でAIを学ぶ意味がますます出てくるのではないかと考えます。
片山:なるほど。我々も将来を見据えて学科教育を考えて行きましょう。