英語英米文学科の学生は、多様な文化や価値観に対して、柔軟で多角的な視点からものごとを見る学びをしています。その日常の行動から他者への共感の姿勢が身につき、実生活における豊かなコミュニケーションにつながっていきます。
経済経営学部経営学科3年生のワング イブラヒム イルングさんは、陸上競技部の選手です。本学に入学してからも母国のケニアで陸上強化合宿に参加したり、今年11月に行われた第55回全日本大学駅伝で2区を走るなどの活躍をしているアスリートです。彼は、1週間に2回、ふたりの英語英米文学科の「グローバル教育支援チューター」※ に日本語を教えてもらっています。
今日はこのおふたりをご紹介します。
※「グローバル教育支援チューター」とは:外国人留学生の学習サポートを行います。この活動を通じて、
自らも学内ワークスタディ(学内での教育支援活動や自身の社会性向上に資する活動に従事する制度)
として社会性や就業力の向上などが身につくことが期待できます。
おふたりの活躍の様子
まずひとりめのチューターは、英語英米文学科2年生の小西謙一さん。
日本語を勉強している海外の友人がいる小西さんは、これまでも日本語のことをその友人に教える機会があって「なかなか伝わらないなぁ」というもどかしい経験をしてきました。そこで、今回、対面で「教える」ことを通じて自分も一緒に成長し、友人ともコミュニケーションを深めたいと考えたそうです。小西さんは、イブラヒムさんのお話をしっかり聞くのが一番大切と考え、間違いも本人に気づかせるように導く努力をしているそうです。また、多少回りくどい説明になってしまっても、自分が伝えたいことを正確に伝えられるようにしようと、相手に伝わりやすいことばを選んで接する心がけを忘れないようにしていると言います。この姿勢を通じて「ことばを使う瞬発力がついた。」と言います。イブラヒムさんが納得してくれて笑顔になってくれると、とても充実感を感じるそうです。
現在実用英語技能検定1級と中国語検定試験2級を目指している小西さん。オープンキャンパスのスタッフや学生広報スタッフLINKでも活動していて、さらに忙しく活躍しそうです。
ふたりめにご紹介するチューターは、英語英米文学科3年生の佐藤拓真さん。
日本のことや日本語を知りたい外国人の方と関わってみたい、一方で自分は知らない文化とその生活などを知ることができ、「お互いにとてもいい経験になるに違いない」と考え、チューターをしてみようと思ったそうです。日本語で話すときに、イブラヒムさんの表情を見ながら、ゆっくりかみ砕いて話すと言います。充実感を覚えるのはイブラヒムさんが今まで理解できなかったところが理解できるようになった時、ありがとうと言われた時だそうです。できるだけ日本語のみを使用してイブラヒムさんに接している佐藤さんですが、最近は「紙」と「髪」、「端」と「箸」というように、イントネーションの違いで意味が全く違う単語でつまずくことがあり、英語を使用して意味と結びつけて整理することで、同音異義語に気づくことができ、さらに日本語の理解の深まりにつながっているようだと言います。
1、2年生のころから国際交流課で募集している「留学生バディ」として働いている佐藤さんは、イブラヒムさんが2年生の時にすでに1年間チューターとして関わってきたそうで、少しずつ理解のスピードが早まってきたという目に見える彼の成長に目を細めます。英語を武器にして社会で活躍したいと話す佐藤さん、卒業するまでにもやりたいことはたくさんあるようです。
「教えてもらって心に残っていることは?」とイブラヒムさんに聞くと、「チューターの話がおもしろい(興味を持って聴ける)。」と言います。小西さんも佐藤さんもイブラヒムさんがわからないところを受け止めて、上手に教えてあげているからでしょう。イブラヒムさんにとって、日本語の勉強が楽しければ、来年の今ごろには、きっと日本語も上達していますね。今後の3人の成長が楽しみです。
- 発行日: 2023.12.25
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